海外で働いた経験は経営業務の管理責任者として認められる?

経営業務の管理責任者としての経験は、原則として日本国内での経験を前提としています。しかし、例外的に外国での役員経験を認めてもらえる場合があります。それが「国土交通大臣認定」です。国土交通大臣から、建設業法施行規則第7条第1号イ(個人を経営業務の管理責任者にする場合)又はロ(組織を経営業務の管理責任者にする場合)に掲げるものと同等以上の経営体制を有する旨の認定を受けるというものです。

例えば、日本企業での役員経験だけでは要件を満たさないが、外国企業での役員経験を加味することで要件を満たす場合や、外国企業での役員経験しかないという場合には、外国企業での役員経験を認めてもらうため、国土交通大臣に認定の申請を行います。大臣認定が下りると、経営業務の管理責任者となることができます。
なお、経営業務の管理責任者だけでなく、営業所の専任技術者や主任技術者・管理技術者も、外国での実務経験を有する者や外国の学校を卒業した者等について、大臣許可を受けることができます。

ですが、国土交通大臣の認定を受けるための証明は少しハードルが高くなります。大臣認定の申請をするためには、外国から資料を取り寄せ、外国語の資料を翻訳し、その翻訳した資料を公証する必要があります。日本では会社の登記簿謄本を取得すれば役員の経験年数を確認することができますが、外国の場合登記簿謄本など日本と同じような公的な書類が準備できない場合もあります。
経営業務の管理責任者について大臣認定を受ける際の提出書類は次の通りです。なおこれらは一例であって、審査の過程で追加資料が求められることもあります。

○建設業法施行規則第7条第1号イの場合。
 ・認定申請書。
 ・認定を受けようとする者の履歴書。
 ・常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書。
 ・役員就任、退任議事録又は会社登記簿謄本。
 ・会社組織図。
 ・建設工事を施工した契約書の写し。
 ・会社概要資料(パンフレット、建設業許可証の写し、会社登記簿謄本等)。
○建設業法施行規則第7条第1号ロの場合。
 ・認定申請書。
 ・認定を受けようとする者、補佐人の履歴書。
 ・常勤役員等及び当該常勤役員等を直接に補佐する者の証明書。
 ・役員就任、退任議事録又は会社登記簿謄本。
 ・補佐人に対する確認資料。
 ・会社組織図。
 ・建設工事を施工した契約書の写し(国内経験で許可業者であれば許可通知書)。
 ・会社概要資料(パンフレット、建設業許可証の写し、会社登記簿謄本等)。

準備ができた申請書は、国土交通省(不動産・建設経済局国際市場課)に直接提出します。
申請に提出すべし書類の準備に時間がかかるものもありますので、申請には時間に余裕をもって早めに準備しましょう。

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