一般建設業許可の専任技術者については、国家資格が無くても一定期間の実務経験があれば、専任技術者としての資格要件を満たすことができます。許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して、次のいずれかの実務経験を有する者は一般建設業の専任技術者になることができます。
①大学卒業+3年以上の実務経験
②高等専門学校卒業+3年以上の実務経験
③専門学校卒業(高度専門士、専門士)+3年以上の実務経験
④専門学校卒業(上記以外)+5年以上の実務経験
⑤高等学校等卒業+5年以上の実務経験
⑥①~⑤以外の学歴の場合は10年以上の実務経験
⑦複数業務について一定期間以上の実務経験
⑧技術検定2級1次検定合格+5年以上の実務経験
⑨技術検定1級1次検定合格+3年以上の実務経験
※①~⑤はいずれも指定学科を卒業していることが必要です。指定学科については高校や大学によって学科名が異なり、該当するか判断が難しい場合がありますので、その際は申請先の許可行政庁にご確認ください。
経験期間において認められる経験業種は原則として1業種で、複数業種を経験している場合、経験期間が重複して計算されることはありません。ただし、平成28年5月31日までに「とび・土工工事業許可で請け負った解体工事業に係る実務経験の期間については、平成28年6月1日以降、とび・土工工事業及び解体工事業の両方の実務経験の期間として二重の計算が認められており、重複して計算することができます。また、経験期間は連続である必要は無く、積み上げて合計した期間でよいとされています。
一般建設業許可の専任技術者に認められる実務経験とは、建設工事の施工に関する技術上のすべての職務経験であって、工事施工のための指揮・監督や建設機械の操作等、建設工事の施工に直接携わった経験は当然実務経験として認められます。他にも、見習い中の者が技術の習得のために行う技術的な経験も認められます。
またこの実務経験は、建設工事の請負人としての立場で行った経験だけでなく、建設工事の注文者として建設工事の発注に当たって設計技術者として設計業務に従事した経験も認められます。
一方で、実務経験と認められないものがあります。建設工事の現場に出入りをしていても、現場の単なる雑務を行っていた経験や事務作業の経験は、技術上の実務経験にはなりません。
また、一定の資格が無いと実務経験として認められないものもあります。電気工事及び消防施設工事は、それぞれ電気工事士免状や消防設備士免状等の交付を受けた者でなければ直接工事に従事することができないため、免状等が無い者の経験期間は実務経験として認められません。他にも、解体工事業は、建設リサイクル法施工後経験に関しては、とび・土工工事業の許可がある業者での経験又は建設リサイクル法に基づく解体工事業登録を行っている業者での経験でなければ、実務経験として認められませんので注意が必要です。
結論といたしましては、実務経験という曖昧な言葉ではありますが、建設工事の施工に携わっている経験か否かで判断していただければよろしいかと思います。
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